編集 TECHNICAL
ポストプロダクションでの編集というと、主に編集に特化した高価な機材を使った
オンライン編集作業の事をさします。
オンライン編集には大きく分けて2つの工程があります。
①オフライン編集に沿った尺(長さ)の調整・映像加工・白作り
②テロップなど情報入れ
映像完成に向け、何が必要でどんな事を行うかにより、
リニア編集《Tape to Tape》とノンリニア編集《PC作業》を使い分けます。
ここではこの2つの工程を順番に見ていきましょう!
主にノンリニア編集で作業をします。
テレビ番組を見ていて、突然番組が終わったりする事って滅多にありませんよね?
番組表からわかるように、一日24時間のなかでどれくらいの長さの番組をどの順番で放送するか、各局が前もって正確に決めています。そして、そのひとつひとつの番組でCMや提供の会社名が出る時間は秒単位で決められています。それらの規格に合うように尺(長さ)をきちんと計算し、O.A時間軸に沿ってフォーマットしていきます。
ドラマや映画、PVなどを見ていて、色あせた質感で所々コマが飛んだり切れたりしたり、ほこりノイズが入っているなど、まるで昔の8mmカメラで撮影したフィルムのような映像や、回想シーンなどでは白黒になって記憶を辿っていたり、ホラー映画などの青や緑がかった寒色トーンで怖さや気味悪さを感じたりしたことってありますよね?
実際には冬に撮影した映像を、色温度高めなバキバキな夏映像に加工したりなど、色や質感の加工をすることにより、時代や季節、心情が感じとれる映像作品にするため、作品の方向性はここの段階で作り込みます。
肉汁あふれるハンバーグを更においしそうに見せたり、バラエティー番組などの人物紹介でその人物だけをくり抜いたりと、その場面や演出意図に沿った映像加工を進めていきます。
また、クロマキー撮影によるCGと実写の合成やVFXなども、様々な機材を使い分けてここで作り込んでいきます。
無限の表現方法があるなかで、流行や個性の違いを映像に盛り込み、形にして生み出せる場面なので、Editorの腕の見せどころでもあります。
→ノンリニア編集について詳しくはこちら
主にリニア編集にて作業をします。
テレビ番組を見ていると、必ず目にする文字情報。
芸人さんのコメントフォローで思わず笑ってしまう、なんてこともあると思います。
元々は映像では表現しきれないことを説明したり、場所や言葉をわかりやすくするために補足的に入れていたものでしたが、最近のテレビ番組はテロップの入っていない部分がないといっていいほど、映像に多くの文字情報が加えられています。現在のリニア編集ではこのテロップ入れがメインの作業になっています。
たかがテロップされどテロップ。フォントの選択や文字のレイアウト、色の付け方、
エディターやテロッパーのセンスひとつで、雰囲気はガラリと変わります。バラエティ番組では1000枚以上のテロップを入れる事もあり、まさに体力勝負!
根気のいる仕事ではありますが、色や出し方で作品全体のトータルイメージを作るなど、プロとしての自らの引き出しや直感的なデザイン力が試される仕事です。
→リニア編集について詳しくはこちら
オンライン編集の上がりが映像としての最終段階になるため、番組を納品し放送された時は自分が作り上げた映像がTV局で送出している全てになり、何百万人もの方々が視聴しています。
とても責任重大な仕事ですが、自分が最後まで作り上げた作品が放送された時、映画館やイベントなどで見ている方々の反応が身近に感じられた時、作品がDVDなどになり一生残るものとなった時、とてつもない達成感とやりがいを得られると思います。