編集 TECHNICAL
オフライン編集に沿った4K素材が並んだ所で、オンライン作業へ入ります。
第2回で説明しました収録フォーマットの違いによりカラーグレーディング作業を行います。
カラーグレーディングについては(カラーコレクションとは?)を参照して頂きここでは新たな規格として今注目されている「HDR」について記したいと思います。
NAB2015でも話題になりましたHDR(High Dynamic Range)
最近ではiphoneやデジカメにも標準装備されている機能ですが、従来のREC.709の色域を大幅に広げたカラースペースの規格。アメリカなど世界規模で収益をあげられる映像産業ではDVD、Blu-ray、3Dに続く新たな販売コンテンツとして期待されています。また、2015年CESにてBlu-rayプレーヤのHDR規格が決まるとも言われており、今まではHDRの色域を表現出来るモニター媒体が無く技術だけが先攻していた感がありましたが、各メーカーがHDR対応のモニターを発表し、民生テレビへの搭載も進んできており、4Kと共にコンテンツの需要が増すと思われる規格です。
しかし発展途上なためSony、Canon、Dolby Visionなど
各社が独自のカラースペースやLUT(Look Up Table)と呼ばれる色を変換する規格を発表しておりシェア獲得競争が繰り広げられています。
制作メリットとして既存のLOGやRAWで収録された素材をカラーグレーディングし直すだけでHDRの映像を作成できるという事。
REC.2020とREC.709のカラースペースでは互換性が少ないため、本来なら2度作品に対してカラーグレーディングを行わないとなりませんが、これを最小限な作業で同じような色を出す、このノウハウがポストプロダクションの技術力になっています。
実際に4K HDRの映像を見ると今までのREC.709では表現出来なかった太陽光や雲の流れの美しさに目を見張る事と思います。映像インパクトとしては大なため常にフルレンジでグレーディングせず、印象をつけたいカットで使用するなど新たな演出方法としての活用が見込まれると思います。
ご覧になりたい方は弊社営業までお気軽にご連絡ください。
カラーグレーディング、合成などの加工、テロップ入れ等を行い映像として最終的に完成したところで今度は音作業への準備に入ります。
次回第5回は音効・MAへの受け渡し、納品について説明したいと思います。
2015.7.9