編集 TECHNICAL
自分のカメラで子供の運動会を撮ったとしましょう!
撮り終わった素材を自宅のパソコンに取り込み、さあ編集します。
必要なところを面白くつなげましたが、何かいまいち見栄えがよくありません。
カットが変わるごとに暗くなったり明るすぎたり、子供の顔色が悪かったり、
弁当が美味しくなさそうだったり・・・
「楽しい雰囲気を残す為になんとか明るさや色味を修正したい!」と、思いますよね。
ここで必要になる技術がカラーコレクションです。
有名な映画『マトリックス』では全体の緑がかった質感が、北野武監督の映画では、効果的に青色を使った『キタノブルー』といわれる色彩による映像演出が、作品を深く印象付けています。
映画『シンドラーのリスト』の中でも全体がモノクロの中、女の子の服だけが赤く色が残っているシーンがありますが、あの表現もカラーコレクションの力なのです。
他にも顔の色だけを良くしたり、曇った空を青空にしたり、昼を夜のシーンに変えたり!本当に様々な手法があります。
フルHDとは、横1920pixel 縦1080pixel 縦横比16:9(1920pixel x 1080pixel 縦横比16:9)
の、現在のTVデジタル地上波の画像サイズです。FHDや2Kなどと表現されたりもします。
それに対し4Kとは、横3840pixel 縦2160pixel 縦横比16:9(3840pixel x 2160pixel 縦横比16:9)
の映像を指し、4K UHDとも呼ばれたりします。
同じ画面比率で画素数が4倍!!!!フルHD画像を田の字に4面並べたサイズです。
HDが1秒間30フレームの画で描かれているのに対し、4Kは60フレームです。簡単にいうと、HDの2倍の数の画と4倍の大きさで映像が作られていることになります。解像度を上げるのと同時にフレームレートも上げないと画がかくついて見える、という理由もありますが、スポーツなど動きが激しいために滑らかな映像が必要とされている場面で、4Kは真価を発揮出来るといわれています。
また映画のフォーマットでもあり圧倒的な情報量で高精細が売りです。
この世界の、さまざまな物の動きを正確に捉える、動く写真と思ったほうが良いかもしれません。
リッチな色味や諧調の広さもポイントです。
一眼レフカメラなどで撮れるフォーマット、RAWファイルをご存知でしょうか?
簡単に言うと、カメラのセンサーに入ってきたデータを、そのまま全て保存した(RAW=生の)ファイルと思ってください。
RAWの利点はこの全てのデータを生かした画像の修正が可能な点ですが、デジカメや携帯で撮影した写真のように、撮ったその場で色が付いた状態(LINEAR=フィルムで撮影後、写真屋さんに出して現像された写真)ではなく、うっすらと浅い色の状態で収録されているため、現像というカラーグレーディング作業が必要になります。
また、RAW(現像前)とLINEAR(現像後)の中間をとったようなファイル形式LOGなども主流になってきており、カラーグレーディングによる今までにない表現の自由度が上がってきました。
季節や時間による色差を合わせたり、単調な画に陰影や深度をつけたり、演出による全体の印象色を決め質感を作り込んだりと、色の専門職である色を操るカラーグレーディングの役割は作品の個性を出す上で欠かせません。
日々目にする日常の色彩を細部まで観察し、気温による色や光の変化に関心を持ちながらイメージを修得し、実際にカラーグレーディング作業の経験を積む事によって自分の出したい色を出せた時は、何とも言えない達成感とやりがいを感じられます。
色の専門職でもあるカラーリストは映像作品をつくる上で欠かせない存在であり、とても奥が深い仕事です。